ある町医者の診療日記

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zoom RSS 厚労官僚の火遊び?

<<   作成日時 : 2010/01/27 16:22   >>

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なぜ、どうしてという疑問しか浮かばない。そして怒りさえ感じる。
m3.comの「医療維新」に編集長の橋本佳子さんが書いた記事、これが発端でしょうか、私がいつも訪問しているブログでも取り上げられ、そしてMRICのメーリングリストからも情報が寄せられている。皆、一様に疑問と怒りを表明している。

うろうろドクター
ふ・ざ・け・ん・な・よ
http://blogs.yahoo.co.jp/taddy442000/30949472.html

勤務医 開業つれづれ日記・2
開業つれづれ:厚労省が医師の敵になる日 「医師への不当な行政処分を阻止すべき ―長妻厚労大臣への要望提出のお願いー井上清成(弁護士)」
http://med2008.blog40.fc2.com/blog-entry-1258.html

新小児科医のつぶやき
Faxを送ろう
http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20100127

ロハス・メディカル・ブログ
これは大変だ
http://lohasmedical.jp/blog/2010/01/post_2246.php

以上は皆さん訪問されて読んでください。

橋本佳子編集長のm3.comの記事
根拠ない、医師への不当な行政処分に異議あり
厚労省が「刑事無罪」が確定した女子医大事件医師への処分を検討
http://www.m3.com/iryoIshin/article/114589/

m3.comのIDとパスワードが必要と思いますので一部引用しておきます。
全文引用というわけにもいかないので、、、
-----(ここから引用)-----
 厚生労働省が、2001年3月の「東京女子医大事件」で、業務上過失致死罪に問われたものの、2009 年3月の東京高裁判決で無罪が確定した医師、佐藤一樹氏に対し、行政処分を行うために「弁明の聴取」を近く実施する予定であることが、このほど明らかになった(事件の概要等は、「院内事故調が生んだ“冤罪”、東京女子医大事件」を参照)。

 行政処分の理由は、「事故を隠すために人工心肺記録の改ざんに加担した行為」が、医師法第4条第4 号が定める「医事に関し不正の行為」に該当するというもの。業務上過失致死罪に問われたことではない。「弁明の聴取」とは、行政が不利益処分(ここでは医師に、医業停止や戒告などの行政処分を科すこと)を行うに当たり、当事者に弁明の機会を与える手続きだ。

 女子医大事件では、2002年2月に病院と遺族との間で示談が成立したものの、刑事事件に発展。執刀医は証拠隠滅罪に問われ、2004年3月の東京地裁判決で有罪が確定した。翌2005年2月に行政処分(医業停止1年6カ月)も受けている。

 一方、人工心肺装置の操作を担当した佐藤氏は業務上過失致死罪で起訴されたものの無罪確定、また証拠隠滅罪には問われていない。その上、佐藤氏自身は証拠隠滅への加担を否定している。それでもなお、行政処分を科すのであれば、「不当な行政処分」との批判を免れない。どんな証拠および論理で厚労省は判断したのか、という疑問が生じるからだ。さらに、そもそも司法処分等に基づかない、厚労省の独自調査による処分は、後述するように制度的にも問題があると考えられる。

(中略)
 しかも、“冤罪”の刑事事件で、佐藤氏は8年近くも被告人の地位に置かれ、キャリアを断念せざるを得なかった。佐藤氏が受けた多大なる損害に対しては国として何らの補償はしていない。にもかかわらず、今回国は本人に新たな不利益処分を科そうとしているわけだ。
(中略)
 厚労省は、医師の行政処分について、調査・判断・処分の権限、司法で言えば警察、検察、裁判所のすべての権限を持っている。保険医・保険医療機関の指導・監査についても同様だ。一方で、厚労省は医師免許の付与をはじめ、医療提供体制や診療報酬のあり方を司る官庁でもある。

 『医療崩壊〜立ち去り型サボタージュとは何か』の著者、虎の門病院泌尿器科部長の小松秀樹氏は、今回の「弁明の聴取」を「中世の暗黒を現代にもたらし、医療の存立を脅かすことになる」と問題視、その上で「厚労省は常に権限と組織を拡大しようとする」とチェック・アンド・バランスが機能しない厚労省の体制を改めるべきだと主張している(『「厚労官僚の火遊び」を許すな』を参照)。
-----(引用、終わり)-----

人は必ず死ぬ。
病気で死ぬ場合もあり、そういう病気の治療中に、そして中には手術中に死亡することもある。
そういう中には、後で、こうしておけばもしかして助かっていたかもしれない、もっと延命していたかもしれないというのがある、それもたくさんあるし、そういう反省をすること、それも専門家たちによる検討によって医療は進歩してきた。
それを、こうしておけば助かった、延命できたはずだとして、民事訴訟どころから刑事訴訟までされたら、どうしたらよいのか。
それも、この事件は、そもそもが冤罪だった。刑事裁判により無罪と決着した冤罪だった。
それをこの時期になって行政処分を科そうとするとは、どういうことなのだろう?

厚労官僚による火遊び

MRICから送られてきた小松先生の文を以下に引用しておきます。
-----(ここから引用)-----
「「厚労官僚の火遊び」を許すな」
佐藤医師への「弁明の聴取」が先例になれば、医療体制は崩壊
虎の門病院
泌尿器科 部長
小松秀樹
※今回の記事はm3.comの「医療維新」で配信されたものです。
2010年1月20日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  http://medg.jp
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【弁明の聴取】
 佐藤一樹医師への、行政処分を前提とした「弁明の聴取」が近日中に開かれるとの情報が入った。この「弁明の聴取」は、中世の暗黒を現代にもたらし、医療の存立を脅かす。暗澹たる気分になるとともに、厚労官僚に対する歴史的かつ哲学的な憤りが短時間で意識されるに至った。
 佐藤医師は、東京女子医大病院事件で、冤罪のために、90日間逮捕勾留された。7年間の刑事被告人としての生活を強いられた。心臓外科医としてのキャリアを奪われた。昨年、無罪が確定した。この冤罪被害者である佐藤被告に対し、行政処分を実施しようというのである。

【検察の論理は援用できない】
 厚労省に、佐藤医師に対する処分を正当化できるような精度の高い独自の情報があるとは思えない。しかも、公判での検察の主張の一部を援用することには、決定的な問題がある。検察の主張は、科学者の事実に対する態度とは全く異なる。被告人に有利な事実をしばしば隠してきた。福島県立大野病院事件では、自ら作成した調書に墨を塗って読めないようにした。佐藤医師の裁判では、論理が完全に破綻したために、訴因(犯罪であるとする理由)を第一審の途中で変更した。第一審、第二審いずれも、検察の完敗で、上告断念に追い込まれた。検察は無茶な論理を平気で振りかざす。検察は、裁判官と弁護士の存在を前提としており、その存在がなければ、簡単に社会の敵になる。

【恣意的処分】
 医療事故調査委員会(医療安全調査委員会)をめぐる厚労省と現場の医師の争いに象徴されるように、この数年間、厚労省は一貫して、医師に対する調査権限、処分権限の増大を模索してきた。医師に対する行政処分は医道審議会で決定されてきた。従来、行政処分は、刑事処分が確定した医師など、処分の根拠が明確な事例に限られていた。医道審議会は、処分1件当たり、5分程度の審議だけで、事務局原案をそのまま認めてきた。慈恵医大青戸病院事件を契機に、刑事罰が確定していない医師にも処分を拡大してきたが、基準が明らかにされていない。これは、罪刑専断主義による恣意的処分と言い換えることができるかもしれない。

【毒を食らわば皿まで】
 医道審議会の状況から、行政処分と「弁明の聴取」の推進者は、実質的に調査権と処分権の両方を持つ。江戸時代の大岡越前守と同じである。当然、このような乱暴なやり方を職権濫用とみなす批判があり得る。推進者もそれを熟知している。強制的な調査を行って処分をしなければ、逆に、職権濫用罪の嫌疑を証明することになりかねない。自分を守るために、無理にでも処分したくなることは想像に難くない。裁判官がいない中で処分を行うことが、いかに難しいか容易に想像される。

【法の下の平等】
 今回の「弁明の聴取」は極めて異例なものである。そもそも、政府の行動はすべて法律に則っている必要がある。法律は全国民に対して平等でなければならない。通常業務と異なることを実施する場合には、相応の理由、正当性が必要である。平等のためには、個別事例を特別に扱うことに慎重でなければならない。そもそも、厚労省は、調査権、処分権を含めて、自らの権限を拡大しようと組織的に動いている。どうしても、この事件が実績作りに利用されているように見えてしまう。今回の「弁明の聴取」は、法の下の平等に反するのではないか。

【行政の行動原理】
 厚労省が医師を裁くことには、社会思想史的な問題がある。厚労省は「正しい医療」を認定できるような行動原理を持ちえない。
 ヘルシンキ宣言は「ヒトを対象とする医学研究の倫理的原則」として制定されたが、医療全般について医師が守るべき倫理規範でもある。実質的に日本の法律の上位規範として機能している。その序言の2に「人類の健康を向上させ、守ることは、医師の責務である。医師の知識と良心は、この責務達成のために捧げられる」と記載されている。医師は知識と良心によって行動するのであり、命令によって行動するのではない。法が間違っていれば、これに異議を申し立てる。
 これに対し、厚労省は「医学と医師の良心」によって動いているわけではない。法令には従わなければならず、しかも原則として政治の支配を受ける。メディアの影響も当然受ける。確固たる行動原理を安定的に持ち得ないため、ハンセン病政策のような過ちを繰り返してきた。
 第二次世界大戦中、ドイツや日本の医師の一部は国家犯罪に加担した。多くの国で、医師の行動を国家が一元的に支配することは、危険だとみなされている。
 公務員は原理的に国家的不祥事に抵抗することができない。この故に、行政は、医療における正しさというような価値まで扱うべきではない。明らかに行政の分を超えている。医学による厚労省のチェックが奪われ、国の方向を過つ可能性がある。

【チェック・アンド・バランス】
 立法・行政・司法は法による統治機構を形成する。法は理念からの演繹を、医療は実情からの帰納を基本構造とする。両者には大きな齟齬がある。
 厚労省は、実情に合わない規範を現場に押し付けてきた。このため、現場は常に違反状態に置かれてきた。頻繁に立ち入り検査が行われ、実際に処分を受けないまでも、その都度、病院は担当官から叱責を受ける。厚労省は、いつでも現場を処分できる。
 厚労省の方法は、旧ソ連を想起させる。旧ソ連では物資不足のため、国民は日常的に、勤務先から物資を持ち出し、融通しあって生きていた。国民全員が何らかの違法行為を犯さざるを得ない状況下で、政治犯を経済犯として処罰していた。このようなやり方が国民と国家をいかに蝕んだかは想像に難くない。

 しかも、厚労省は、常に、権限と組織を拡大しようとする。厚労省は困った性質を持っており、チェック・アンド・バランスがないとかならず有害になる。チェック・アンド・バランスの考え方は、市民革命を通じて一般化したが、日本では力を持っていない。

【一般厚労行政への影響】
 処分は通常の行政とは大きく異なる。厳重な秘密保持も求められる。このため、厚労省主導で処分を実施しようとすると、担当部署は他の部署との間に障壁を設けなくてはならない。しかし、いかに障壁を設けても、厚労省と医師の関係が悪化し、医療行政に支障を来たすような事態は容易に生じうる。佐藤医師への「弁明の聴取」が先例となれば、医師は行政を悪とみなすようになる。厚労省は医師の敵になる。行政は医師の協力を得るのが困難になり、医療行政は立ち行かなくなる。結果として、医療提供体制が損なわれる。 

【結論】
 個人的に得た情報では、行政処分の事務を担当している医師資質向上対策室は、佐藤医師への行政処分と「弁明の聴取」に反対したとされる。それを、医政局の杉野剛医事課長が強引に押し切ったという。これが本当なら医療提供体制が破壊されかねない。厚労大臣は、事実関係とその背景を調査すべきである。
 そもそも、佐藤医師への行政処分は「改竄への加担」が理由だとされるが、舛添要一前厚労大臣の著書『舛添メモ 厚労官僚との闘い752日』(小学館)によると、厚労省の官僚は、日常的に、大臣への報告で、事実を捻じ曲げている。それでも処分されていない。厚労官僚の行動は危うい。チェック方法と適切な処分のあり方を検討すべき状況かもしれない。
-----(引用、終わり)-----

検察官の卑劣さというのは、あの大野病院事件の裁判記録を読めばよく分かる。平気で証拠を隠すし、自分達に不利となれば、科学的事実や文献の証拠採用を拒否する。そして、彼らの医療分野における無知と馬鹿さ加減も、裁判記録を読めば、よく分かる。
小松先生が言われるように、裁判官や弁護人がいない中での公平性の担保など、絶対にあり得ない。
そして、そもそも、裁判官や弁護人がいても、裁判というような場は、科学的真理を求めるようなものではあり得ない。
そういう裁判でさえ、無罪と結論し、冤罪だとしたものを、何を今更行政処分になど科そうとするのだろう?

厚労省による行政罰は、裁判官という建前上だろうが中立的な判定者もいない、そういう中で処分を下すものです。
そしてその処分が間違っていても、自分たちが処分を受けたりはしない。そもそも間違っているという判定を受けるような制度自体が存在しない(取消訴訟を起こすしかないが、これさえ、、、)。
小松先生の言う「チェック・アンド・バランスがないとかならず有害になる」という理由がここにもある。彼らにはチェックもバランスもない。

医政局の杉野剛医事課長か、いったいこの者はどういう人間なのだろう?
そして、なぜこんな無理筋としか思えないことを強行しようとしているのだろう、本当に不思議でならない。

うろうろドクターさんがブログで少し書かれている「この遺族(団体)の申し出も、大きく関係しているのは間違いないでしょうね。」ということが関係しているのだろうか?
当時の担当医の処分を要請 手術事故で死亡女児の両親
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008093001000745.html

「医療倫理上問題があると疑われるケースもきちんと対応すべきだ」って、坊主憎けりゃ袈裟までじゃあるまいし、、、

なお、m3.comの掲示板には「弁明聴取は中止」というメッセージを書かれている人がいます。
佐藤先生の講演に出て、「厚生労働省による弁明聴取は中止となった」と。

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