ある町医者の診療日記

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zoom RSS 起こるべきして起こった事件>急患受け入れ拒否(兵庫県姫路市)

<<   作成日時 : 2007/12/07 14:45   >>

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救急体制も崩壊しつつあります。
その最大の原因は国の医療費削減政策、次が医療の受益者である一般国民による無茶苦茶な要求とそれに乗っかった司法やマスコミによる医療バッシングでしょう。
崩壊状態にあればいつこのような事件が起こってもおかしくはない。

急患受け入れ拒否 病院側「当直が専門外」「処置中」
http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0000762620.shtml
-----(ここから引用)-----
「もう少し早かったら助かっていたかもしれない。悔しい…」。六日未明、十六カ所の病院に治療を断られ、やっと搬送された病院で間もなく死亡した姫路市の男性(66)。駆けつけた救急車は自宅前で一時間十分、立ち往生を余儀なくされた。播磨の中心都市で浮き彫りになった医師不足。遺族はまさかの悲劇に無念さをあらわにした。

 受け入れを断った病院は、神戸新聞社の取材に「当直が脳外科医だったので、内科の輪番病院を紹介した」(姫路赤十字病院)▽「輪番日以外は救急に対応できない」(国立病院機構姫路医療センター)などと説明。

 外科と内科の輪番日だった姫路聖マリア病院(姫路市)は、六日午前零時に別の救急患者の手術を開始。さらに十分後、入院患者が心肺停止になり、七人いた医師は全員、手が離せない状態だったという。

 姫路市消防局は「症状が重篤なら、神戸市内の三次救急病院に運ぶこともある。今回の男性は当初、会話もでき、意識レベルも低くなかった。二次救急病院で対応できると考え、姫路市内から順に探し始めた」と説明する。

 同局によると昨年、患者の受け入れ先が決まり、救急車が現場から出発するのにかかった時間は平均十一分四十三秒、病院までの搬送時間は八分二十五秒という。

 担当者は「医師不足で専門の当直医が減り、搬送を断られるケースが増えている。異例の事態が起きてしまったのは残念。今後は病院との連携を密にして、受け入れてもらえるようにしたい」と話している。
-----(引用、終わり)-----

このサイトには「受け入れ要請があった病院と断るなどした理由」として病院名と理由も載っています。
「専門外」、「処置中」、「満床」、「処置困難」、「電話応答なし」。
「電話応答なし」は病院名からして診療所のようで、たぶん私のような有床診療所と考えて間違いないでしょう。となれば、そもそも夜間救急を受け入れること自体が不可能ですし、こういう重症患者を搬送されてこられてもどうしようもありません。
「処置中」として断るのは当然です。処置しているのに受け取れなどという無茶苦茶な要求をする輩がいますが(それもマスコミにもあるってのがこの国の程度がよく分かる)、できないことはできません。こういうできないことをしろと要求するのは太平洋戦争以来のこの国の民度なのかもしれませんが、いいかげんなんとかしないといけない。
「満床」ってのもよくにたものでしょう。廊下に寝かせてでもとかいうことを何も分かってない者が言っていましたが、野戦病院じゃないんです、そもそもそんなことをしたら、この国の司法が許しません。
「処置困難」、「専門外」ってのは、その「この国の司法」がしてはいけないと裁判で命じていることです。もししたら、医師や病院に責任をとらせるよと裁判で決めた。これにつていは前にも書いたことがあります。
「 医療訴訟に巻き込まれないようにするためにどうすればよいか?」
http://blog.hashimoto-clinic.jp/200708/article_5.html

ここを参照。
http://power123.blog95.fc2.com/
判例に基づいた医療の「交通事故による外傷性心タンポナーデによる急死」など。

つまり、何とかしてあげようなどという親切心は、この国では通用しないということです。親切心で医療行為をしたら、足下をすくわれると。民事事件として何千万、時には億という賠償金をふっかけられ、さらには警察や検察に訴えられて刑事事件にまでさせられる。

なお、このサイトには「たらい回し」との文言は書かれていませんが、中にはそう書いているところもある。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/071206/crm0712061339024-n1.htm
未明の兵庫、18病院たらい回され 66歳死亡
産経新聞ですからさもありなんですが、それにしても未だにこの程度とは情けない新聞社です。
それと、この新聞社、例の大淀病院の関係者のコメントも載せていました。
-----(ここから引用)-----
高崎さんの義父、憲治さん(53)は「救急医療をめぐる問題があると(関係者は)『二度とこういうことが繰り返されないように』と謝るが、何度も繰り返し起こってしまうことが残念でならない」と話している。
-----(引用、終わり)-----

こういうことが繰り返させる原因の一端を作った張本人が何を言っているのかと。

そもそも、あなたたちは裁判では「搬送できなかったこと」を問題としていないではないか。
大淀病院事件の裁判で原告側は「原告 過失は診断すべきだったこと。検査を怠ったこと。搬送できなかったは過失でない。」と主張しているのです。
「産科医療のこれから」というブログで、大淀病院事件をづっと追いかけておられます。
http://obgy.typepad.jp/blog/cat769245/index.html
ここの「大淀事件の第三回裁判」(http://obgy.typepad.jp/blog/2007/10/post_5f19.html)。
-----(ここから引用)-----
救命可能性について
被告 いつ治療すれば救命可能性があったのか。
原告 今問題としてるのは過失の有無であり、救命可能性ではない。救命可能性は血圧、呼吸、脈、脳神経の症状についてが確定後議論する。
被告 1時37分ですでに依頼をしている。

被告 4時に脳内出血があったと考えている。0時に脳内出血があるなら原告に証明責任がある。救命可能性についても原告に証明責任がある。
原告 情報(血圧、呼吸、脈、脳神経の症状について)を一覧をそちらが作成していただければやる。
被告 わかりました。1時37分の搬送では間に合ったのか?
原告 過失は診断すべきだったこと。検査を怠ったこと。搬送できなかったは過失でない。
被告 診断と搬送の遅れは関係あるのか?
-----(引用、終わり)-----

こういう事件、これから日本全国で頻繁に起こるようになるでしょう。
そのうちニュースにさえならなくなるかもしれない。
これは先にも書いたように医療費削減政策をとる政府がもたらしたものです。つまりは、そういう政府を選んだ国民がしたことですし、何か不都合なことが起こればすぐ医療のせいにする自称被害者、それをネタにバッシング記事を書いてよしとするマスコミに、トンデモ判決を下す司法、そういう者達がこういう悲劇をもたらしたのです。

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