ある町医者の診療日記

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zoom RSS 開業医の月収211万円 勤務医の1・6倍

<<   作成日時 : 2007/10/27 12:04   >>

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これは非常に歪曲、それも意図的に歪曲されたタイトルです。

開業医の月収211万円 勤務医の1・6倍 厚労省、中医協に報告
http://www.m3.com/news/news.jsp?pageFrom=m3.com&sourceType=GENERAL&articleId=59153&articleLang=ja

内容を読むとちょっと違ってきます。
ただし、内容もよく読むと、意図的に「開業医の収入が高すぎる」と誤解させようとしているのが分かります。

これもあえて全文、引用しておきます。
-----(ここから引用)-----
 厚生労働省は26日、病院や診療所の経営状況を調べた医療経済実態調査の速報値(2007年6月時点)を中央社会保険医療協議会に報告した。病院長らに加え、今回初めて医療法人などの形態の開業医が給料などの形で受け取る月収を調べた。

 給料に賞与分を加えた平均月収は、05年6月時点の調査と比べて民間(医療法人)病院の院長が3・5%増の259万円と最も高く、個人開設を除くベッド数 20未満の民間診療所の院長である開業医の230万円(ベッドあり)、207万円(ベッドなし)が続く。民間診療所院長全体では211万円で、勤務医の中では最も高い民間病院医師の134万円の1.6倍だった。

 実態調査は通常、2年ごとにある診療報酬改定の前年に実施し改定の基礎資料とされる。厚労省は08年度改定で、開業医に休日・夜間診療を促す一方、医師不足が厳しい病院勤務医の待遇を改善する方針を示している。

 民間病院以外の院長の平均月収は、日赤などの公的病院が179万円(0・5%減)、公立病院が163万円(5・2%増)など。開業医でも個人開設の場合は101万円だった。

 勤務医の平均月収は、国公立病院などが102万?119万円なのに対し、民間病院は134万円(2・5%増)と高かった。

 医師の収入については従来、収入から経費を差し引いた「収支差」を収入と見なしてきたが、設備投資費用なども含まれるため、開業医主体の日本医師会は収支差を使った収入比較に反発していた。
-----(引用、終わり)-----

配信は共同通信です。

タイトルは「開業医の月収211万円 勤務医の1・6倍」ですが、「民間診療所院長全体では211万円で、勤務医の中では最も高い民間病院医師の134万円の1.6倍だった。」というところを抜き出しただけのものです。
診療所の院長と、民間病院の一般勤務医を比べている。
それを比べる意味があるのでしょうか。いわば、中小企業の社長と、大企業の一般サラリーマンを比べているようなものか。

それと、問題なのは「民間診療所院長全体」というのがどういう性格のものかです。
「医療法人などの形態の開業医が給料などの形で受け取る月収」とあるように、開業医の中から医療法人化したらメリットがあるほど収入の高い開業医だけを選んで「開業医の月収」と誤解させているのです。
「医療法人化したらメリットがあるほど収入の高い開業医」など、開業医の一部です。それなのに、「開業医の月収211万円」と開業医全体かのように誤解させている。医療法人化してもメリットもない多くのツブクリを加えたら、勤務医の月収以下になる可能性さえある。

なぜ、こんなことをするのかは明らかでしょう。
医療費削減です。
そのために、診療所を対象としたレセプト点数を下げようとしているんでしょう。
医療行為に対して支払われる費用算定の基礎となっているレセプト点数は、病院と診療所では少しことなります。病院だけにあるもの、診療所だけにあるもの、両方にあっても、点数が異なるものなどがあります。このレセプト点数の中で、診療所対象のものだけを下げてやろう、結果として医療費全体を下げようとしているのは明らかです。

その上、開業医と勤務医とを分断できるとしたら一石二鳥

今、日本の医療政策ですべきことは、勤務医の給料が、その激務と責任の重さに比べたら安すぎることの改善です。それこそをまずすべきであって、こういう小手先の捏造情報を流して、勤務医と開業医を分断しようとすることはすべきではない。
非常に卑怯なことです。
そして、私は開業医として、特にウハクリになれない開業医として、勤務医のかたたちに言っておきたい。
激務から立ち去って開業しても、勤務は少しは楽になるかもしれないが(開業したら、学会などそう簡単に行けないこと、つまり拘束時間だけは24時間なんだということを覚悟しておかないといけない)、責任の重さは倍増するんだ(借金や家族および従業員の生活がその肩にのしかかるということ)という現実は知っておくべきです。

この記事は、政府与党の医療費削減政策に利するためになされたマスコミへのリークによるものでしょう。開業医はこれだけ儲かっているのだから、診療所のレセプト点数を下げるべきだという政府与党の下心が見え透いている。

今なされないといけないことは、勤務医の待遇改善であって、医療費をさらに下げることではない。

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