ある町医者の診療日記

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zoom RSS タミフル狂騒パート3

<<   作成日時 : 2007/04/25 11:49   >>

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インフルエンザもそろそろ下火になってきたこともあるしで、このタミフル狂騒も食傷気味ではありますが、非常に興味深い例があったので、書いておくことにします。いわゆるなんとか被害者の会とかいうものの実態とそういう者達が行う「集会」なるものをマスコミがどう報道しているのかというのがよくわかる例だと思います。

まず、m3.comから送られてくるメーリングリストから。
数日たつとソースが消えてしまうので全文引用しておきます。

http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&articleId=46175
タミフル副作用、実態把握呼びかけ 被害者の会が集会
-----(ここから引用)-----
記事:毎日新聞社
提供:毎日新聞社
【2007年4月22日】
 小児科医や患者団体の「薬害タミフル脳症被害者の会」(軒端晴彦代表)らが21日夕、京都市内で開催中の日本小児科学会の会場で、転落死などインフルエンザ治療薬「タミフル」の副作用問題に関する集会を開いた。参加者らは、副作用被害の実態把握を呼び掛けるとともに、タミフル服用後に起きた異常行動の体験などを報告した。

 大阪府立呼吸器アレルギー医療センターの高松勇・小児科部長らが企画し、約50人が参加した。

 体験報告したのは、05年末にタミフルを服用後、自宅で大声を上げて暴れ両親に押さえられた男子高校生や、服用後に呼吸が突然止まって死亡した3歳の男児の母親ら。

 高校生は「服用後に転落死した人と自分に違いはない。僕は自宅に両親がいたから、助かった」と訴えた。

 「被害者の会」は集会に先立ち、小児科学会の別所文雄会長と面会。タミフルの副作用に関する国への報告や診断書の作成、タミフル問題でのシンポジウム開催などを求める文書を手渡した。別所会長は「学会理事会で検討したい」と答えたという。【高木昭午】
-----(引用、終わり)-----

こういう連中に来られると学会も迷惑以外の何ものでもないのですが、追い返すとそれを理由にまた騒動を起こされる。
この手の連中は、正義は我にありと思いこみ、目的は手段を正当化するというのを信条にしているので、説得(ここは学術集会なのですよというような説得)など無駄以外の何ものでもない。また、マスコミはマスコミで弱者の味方ずらして持ち上げる。けっして、その不当性を報道したりはしない。
で、しかたないので、最後に書かれているように、「検討します」と答えるしかない。
そんなもん検討するもなにもない。無茶以外の何ものでもないんだから。

m3.comの掲示板で、この集会に参加された小児科医のかたが、実際はどういう集会だったか書き込まれているので全文引用します(全文コピーしてかまわないとのことです)。

-----(ここから引用)-----
実況、タミフル被害者の会
投稿者:  場末の小児科医

さすが、毎日新聞。私の印象とは大違いです。
他のスレにも書いたものですが、観戦記UPします。

小児科学会のついでに、土曜日の夜、こわいもの見たさで行ってきました。
結論、行くものではない。

まず受付で、所属と名前以外に連絡先を書けとのこと、躊躇していたら住所でもメルアドでもFAX番号でもというので、FAX番号のみ書く。
参加者は結局、総勢50名くらい、被害者の会と浜ちゃんグールプで30名くらい、マスコミ関係者が10名くらい(産経、毎日、どこかのテレビ局)、ノンセクトの一般の小児 科医が12,3名くらい。

まず被害者の会の方が、ご自分の経験談を語られる。
3才のお子さんでインフルエンザと診断され、タミフルをのませて寝かしていたら、亡くなられた方と、10ヶ月でインフルエンザと診断され、タミフルを飲ませたら、それが元で精神発達遅滞をきたした(と思っている)方、中学生の時タミフルを飲んだら異常行動をおこしたという当事者(現在高校生)とその父親の発言あり。
その後、浜ちゃんの、いかにタミフルが悪いかという、あちこちから引っ張ってきた(自分の都合のよい)データを並べた講演会。
その後、質疑応答。

最初の被害者の方の経験を聞かせられた時点で、まともな議論は無理だな、と思いました。
それでも、勇気ある市民病院の先生が、浜ちゃんの講演内容に質問してくれました。
幼若ラットにタミフルを飲ませると、死亡率が高まるというが投与量が通常の500倍、1000倍の量で、実験の方法がおかしいのではとか、今年はタミフルを使用しなくても、異常行動の報告が相次ぎ、インフルエンザによる異常行動はもともとある一定の発現頻度があるのでは、と、まともな医者なら疑問に思う事を言ってくれました。
それに対して、何の根拠もなく、この実験は正しいとか、被害者の方は、異常行動の程度が違う、うちの子供は死にかかっただぞ、とか、まるで議論になりません。
もう一人、質問した先生を助ける意味で、ある先生が、もっと冷静に議論して、お互いにわかりあえるようにしましょう、と言っただけでも、集中砲火を浴びていました。

まるで、新興宗教の集会(浜ちゃん教)に紛れ込んでしまったような印象でした。

単なる被害者(と思っている)の方の不満のはけ口の場で、決して何かが生み出されるとか、(医療者と患者の)相互の理解が深まるとは、到底思えない会でした。
-----(引用、終わり)-----

投与量の500倍や1000倍を投与したら幼若ラットの死亡率が高まるっていう実験方法はおかしいという指摘、当然と思いませんか?
水や塩、砂糖だってそうです、普通の量の500倍や1000倍をあなたが飲んだ場合を考え見て下さい、それもあなたが赤ん坊だったらどうですか。下手すれば死にますよ。いや下手どころか高い確率で死亡するかも。
タミフルを飲まなくても異常行動の報告があいついでいる、異常行動はインフルエンザにもともと一定頻度でおこるのではないかという指摘、これも当然だと思いませんか?
そういう当然といえる批判を、「うちの子供は死にかかったんだぞ」などという無茶苦茶な論理で圧殺しようとする。

自分たちは「被害者」だということを錦の御旗にしている者達がよく見せる傲慢さ。
何々「被害者」と称する者達によく見られる、いや「よく」どこから必ず認められると言ってもいいかもしれないことですが、こういう無茶苦茶がこれまで日本では通ってきた(たぶん、これからも通っていくのでしょう)。そして、その無茶苦茶によって彼らは報酬も得てきたのですから、なんとも言うべき言葉がありません。
子供を失ったという心の痛み、それももしかしたらその死の責任が自分にもあるのではないかという罪悪感を、他に向ける。痛みや罪悪感を他への攻撃に転化する。これは心の防御本能なのかもしれないですが、その相手にされた方は大変です。
そして、そういう活動で報酬を得られる可能性さえあるとしたら、さらに力も入るというものです。

-----(ここから引用)-----
世話人がT先生だったので、もう少しまともかなと思ったのですが、入った瞬間、しまったなと思いました。
一般の人は、参加証という名札をつけ、医師(小児科医)はたいてい学会の緑のホルダーを首からぶら下げていました。
マスコミは、産経新聞の名は受付の名簿でみました。毎日新聞は、会場で浜氏から発言を求められ、発言していました。
在阪のテレビ局のカメラクルーが入って、撮影していたので、いずれ放送されるでしょう。

ほとんど見知った顔がなく、小児科医であっても、浜ちゃん一派なのか一般の小児科医なのかわからず、誰が敵か味方かわからない中で、発言するのは無理ですね。
それでも勇気ある先生が質問してくれました。
その先生がまた優秀で、的確に浜氏の説のおかしいと思う点を指摘してくれました。
いいぞ、と拍手をしたかったのですが、さすがにできませんでした。
結局、その先生に対して、浜氏以外にも、浜ちゃんグループのY医師、被害者の父、事務局の女性が交互に立ち上がり、その先生を糾弾するような形になりました。
見るに見かねて、後ろにすわっていた先生が立ち上がり、冷静に議論しましょう、と言っただけなのに、矛先がむいてしまいました。

m3.comや他の掲示板にあるような意見
タミフルを飲んでなくて転落死した事件をどう考えるのかや、マスコミは、なぜタミフルでの異常行動ばかりを取り上げるのか、などの意見は決して発することのできない雰囲気でした。

たしかに、身内をなくされたり、不都合な事象がおこったりした憤りをどこかにぶつけたいのは理解できますが、それをタミフルのみに結びつけるのは、やはり医者としては、全面的に受け入れるわけにはいきません。
その憤りを同じ医者でありながら、非科学的な論理であおりたてる方がおられるのも理解できません。
以上です。
-----(引用、終わり)-----

とにかく、この手の集会の異常さというのがよく分かります。
そして、それをマスコミがどう報道しているかというのも。
マスコミは事実さえ報道しない、事実を自分たちの都合のいいように変えてから報道するのだというのがよく分かる。

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