ある町医者の診療日記

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zoom RSS タミフル狂騒パート2

<<   作成日時 : 2007/04/06 12:49   >>

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これだけニュースになると私のところに来る患者さんも、タミフルを飲まないと言われるかたが出てくるようになりました。
10代には私も出しません。くれと言っても出さない。
これは、医学的な理由というより、いわゆる防衛医療です。厚労省が原則禁止と言っている以上(ただし、正確には原則禁止ではないそうで、もっと微妙な言い回しです)、もしタミフルと関係なくとも、何か起こればタミフルを処方した医師の責任とされる、そういう理由です。

ここ1、2週間でたくさんのニュースが出ました。
私が注目したもの2つをあげます。
服用なしでも異常行動11件 飛び降り、転落死も (2)
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=45308
-----(ここから引用)-----
 厚生労働省は4日、インフルエンザ治療薬タミフルを服用しなかったインフルエンザ患者などでも、飛び降りなどの異常行動が少なくとも計11件あったことを明らかにした。同日開かれた薬事・食品衛生審議会の調査会に報告した。

 11件は、厚労省が先月23日から今月2日までに、医療機関などの報告や公表例で情報を入手した。内訳は10代が10件でいずれも男性、10歳未満は女児1件。10代男性の1件は、自宅9階から転落して死亡した。

 転落死の男性は3月27日、心肺停止の状態で医療機関に運ばれ、死亡確認時の検査でインフルエンザ(A型)が陽性と判明した。目撃情報がなく転落時の状況は不明。タミフルの服用はなく、市販のかぜ薬を飲んだらしいが詳しいことは分かっていない。

 別の10代男性は3月12日、かぜの症状で39度の熱を出し、2階の自室で寝ていたが、「怖い人に追われる夢を見て」2階の窓を開け庭に飛び降り足を骨折した。

 ほかの事例(10代男性)は3月7日にA型インフルエンザと診断されたが、本人と家族の希望でタミフルは処方されなかった。翌8日夜に39.8度の高熱が出て、突然走りだしマンションのドアから飛び出したが家族が止めた。

 調査会に出席した長野県立こども病院の宮坂勝之(みやさか・かつゆき)院長は「短い期間にこれだけの報告があった。タミフルの副作用だけでなく、インフルエンザでも異常行動が起こることを示す比較材料となる。ほかにもこうした事例がないか調べる必要があるだろう」と話した。
-----(引用、終わり)-----

赤字の部分、たった10日間で11例もあったということに注目して下さい。
タミフル服用しようがしなかろうが、インフルエンザで異常行動を起こすのです。
こういうことは臨床医なら経験しているのです。だから、タミフル服用の副作用で異常行動が起こるのだというマスコミの狂騒に臨床医は否定的なのです。

次のニュース。
「異常行動」また明らかに 分析怠った副作用情報で 「表層深層」タミフル問題で厚労省公表 (4)
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=45316
-----(ここから引用)-----
 インフルエンザ治療薬タミフルの服用と関連が疑われる患者の「異常行動」がまた明らかになった。ただ、新たに調査したわけではなく、輸入販売元の中外製薬から既に報告されていた副作用情報を厚生労働省があらためて分析した結果で、行政の怠慢も指摘される。異常行動はタミフルが原因か、インフルエンザ感染による症状なのか?。因果関係の本格的な解明が始まった。

 ▽「目が取れた」

 「服用2日目の午後4時、異常行動。突然2階から下りてくる、うさぎ跳びをする、異常な発声」(男、10代)。「2回目服用の3時間後に悪夢を見て暴れた。その6時間後、再度暴れ、包丁の刃を自分に向けていた」(男、10代)

 厚労省が4日公表した患者128人分の異常行動だ。ほとんどが回復したケースだが、概要の欄には「目が取れたと叫ぶ」「トイレの窓から飛び出す」などのショッキングな文言も並ぶ。

 3月20日深夜、緊急会見した厚労省は10代の患者への原則使用中止を発表。同22日には、「否定的」としてきた服用と異常行動との因果関係に対する見解を白紙に戻し、分析が不十分だった副作用報告すべてを見直すと表明した。

 ▽遅れた情報解析

 中外製薬の報告は2001年2月のタミフル発売から今年3月20日まで計1465件に上り、02-04年度は各200件を超え、05年度は492件。厚労省は死亡事例を重視し、回復した事例は十分解析していなかった。

 「副作用の迅速な報告義務を企業や医療機関に課しているのに、厚労省がこれを温めてしまっては全く意味がない。早期の情報解析と国民への公開があって初めて意義がある」と批判するのは東洋大の片平洌彦教授(保健福祉論)。「タミフルについては死亡に至るような情報がかなり以前から上がっていたようで、使用の停止に踏み切るなどの早期の判断が必要だった」と指摘した。

 実際、10代への使用中止が発表されて以降、副作用報告は急増。厚労省は「掘り起こし効果」とみている。

 副作用報告の分析結果は4日、因果関係を再検討する厚労省の薬事・食品衛生審議会に報告された。だが、専門家の間には完全な解明は難しいのではとの見方がある。

 タミフルなしの異常行動の存在が明らかになってきたのも理由の1つだ。ある臨床医は「薬と関係なく起きた異常行動には報告義務はなく、これまで組織的に収集されてこなかった。高熱を出した子供に普段と違う行動がみられることは、現場の医師は経験的に知っている。そうした例も含めた総合的な検討が必要だ」と話す。

 ▽現状維持

 異常行動が確認された128人のうち、10代が57人、10歳未満も43人いる。審議会では「最悪の場合を想定した医療行政が必要」として、あらゆる年代で慎重な使用を求める意見も出たが、この日の結論は「現状維持」だった。

 東北大の賀来満夫教授(感染制御学)は「タミフルは効果的な薬だが、異常行動の危険性が否定できない。どうしても必要な患者に限って処方するよう使い方を改めるべき時かもしれない」としながら、使用を極めて限定することの「マイナス面」も認識しなければならないとの立場だ。

 ほかに治療薬リレンザもあるが、流通量は少なく、タミフル処方量の約90分の1(04-05年推定)。吸入に器具が必要で、適応もタミフルより狭く5歳以上。完全にタミフルの代替にはならないとの見方が強い。

 賀来教授は「小児では急激に症状が悪化するケースもあり、タミフルが全く使えなくなると治療に支障が生じるかもしれない。使う、使わないをどこで線引きするか、バランスの取れた社会的合意が必要だ」と語った。
-----(引用、終わり)-----

内容とタイトルの不一致の典型ですね、共同や毎日がよくやる手。
それはそれとして、東洋大の片平洌彦教授(保健福祉論)とかいう人のコメントの頓珍漢さはどうでしょうか。ど素人に毛の生えたようなコメントで、たぶん感染症とか薬剤などの専門家ではないどころか、そういう関連のことには無知なところをさらけ出している。

「ある臨床医」というコメントに注目して下さい。
「薬と関係なく起きた異常行動には報告義務はなく、これまで組織的に収集されてこなかった。高熱を出した子供に普段と違う行動がみられることは、現場の医師は経験的に知っている。そうした例も含めた総合的な検討が必要だ」
実際はこういうことなのです。

となれば、最後にある賀来教授のされているコメントようなところに落ち着くしかない。
「小児では急激に症状が悪化するケースもあり、タミフルが全く使えなくなると治療に支障が生じるかもしれない。使う、使わないをどこで線引きするか、バランスの取れた社会的合意が必要だ」

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