ある町医者の診療日記

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zoom RSS 安全なお産のために>助産所の嘱託医問題

<<   作成日時 : 2007/02/10 17:46   >>

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助産所の嘱託医に眼科医とかがなっているとご存じでしたか?
産科医でないと勤まらない、それが常識ってものですが、今の法律上は医師であれば誰でもいいのだそうです。
それを、きんとした嘱託医制度にしようとしたら、助産師とかそういう助産所で産みたいとかいう(宗教に凝っている)人たちが反対声明を出した。そんなに厳しくしたら、助産所としてやっていけないところが3割にものぼってしまうというのだそうです。

http://www.asahi.com/life/update/0210/003.html
開業助産所、3割ピンチ 嘱託医義務化に確保厳しく
-----(ここから引用)-----
 年間約1万人、全国のお産の1%を担う開業助産所が存亡の危機に立っている。4月施行の改正医療法で、産婦人科の嘱託医を持つことが義務づけられたのに、日本産婦人科医会が産科医不足などを理由に、厳しい条件の契約書モデル案を示したためだ。NPO法人の緊急アンケートでは、嘱託医確保が「困難・不可能」が3割にのぼる。

 嘱託医確保の猶予期間は施行から1年。来年4月までに嘱託医が決まらない助産所は、廃業せざるを得ない。

 「産む場所の選択肢を奪わないで下さい」

 9日、助産師や産婦たちでつくるNPO法人「お産サポートJAPAN」が、厚生労働省で会見を開いた。同時に発表した全国の分娩(ぶんべん)を扱う開業助産所330全施設対象のアンケート結果によると、「嘱託医が確保できる」は38%。「不確実だが見込みがある」30%、「困難」21%、「不可能」が7%だった。

 出産時の異常で、助産所から病院・診療所に搬送されるのは約1割。同NPO代表で助産師の矢島床子さんは「安全性確保には医療のバックアップは必要。でも、助産師が自力で嘱託医を探すのは難しい」と話す。

 一方、日本産婦人科医会は、助産師は独立開業より院内助産所の形を取るべきだとする。昨年末には「嘱託医契約書モデル案」を発表した。「助産所は嘱託医に委嘱料を支払う」「妊婦を転送したケースについては、助産所が訴訟費用などを補償する」「助産所は十分な資力を確保しなければならない」など、厳しい内容だ。産科医不足の上、転送を受けた病院が訴訟の対象となる例が相次いでいる事情がある。

 神谷直樹常務理事は「助産所の分娩は安心かもしれないが、安全面で問題がある。一歩進んだ分娩環境の提供を目指すため、あえて厳しいモデルを示した」と話す。

 日本助産師会は「モデル案は助産師の開業権を事実上、侵害する」として、厚労省に「嘱託医と、救急搬送先となる連携医療機関を同じ病院(医師)が兼務できるようにしてほしい」と要望した。同省看護課も「後方支援機関として嘱託医を残すべきだと主張し、確保に協力すると言ったのは産科医会だ。安全なお産のために積極的に嘱託医を引き受けてほしい」と話している。
-----(引用、終わり)-----

どこで産もうがそれは個人の自由だとは思います。
ただし、何かあれば、産科医によってきちんとしたバックアップがとれるようでないといけない。日本は開発途上国ではないし、戦争中でもない。安全なお産という体制を、せめて制度としてだけでも整備しておかないといけない。

そもそも、産科医には、とてもそんな体制をとることは不可能だというほどの厳しい安全条件を押しつけておきながら、助産所はその逆でいいとしている者達とは、いったいどういう人たちなのだろうか。
さらにです、これに厚労省の看護課が「安全なお産のために積極的に嘱託医を引き受けてほしい」と言うとはどういうことか。安全なお産と言うのなら、もっと産科医を増やし、全ての産婦をきちんとした病院で診れるようにすべきです。それが、産科医がどんどん減って、産科の病院どころか医院でさえ閉鎖、閉鎖というような状態にしておきながら、何が「安全なお産」だ。
病院の産科でさえ、産科医は不足しており、そこの労働条件は36時間勤務などという過酷な労働を産科医はやっている。そんな体制で安全なお産を産科医はこなせるわけがない。いついかなることが起こってもおかしくない。
助産所で産みたいとか言っている人たちも、産科医に嘱託医をしろと要求する前に、産科医がもっと増えるような施策を厚労省に要求すべきでしょう。産科医がたくさんおれば、嘱託医を捜すのに苦労するようなこともない。嘱託医がいないという現実が、なぜ起こっているのか、それをよく考えろと言いたい。

この問題は、日本産婦人科医会の言うことが正しい。
-----(ここから引用)-----
一方、日本産婦人科医会は、助産師は独立開業より院内助産所の形を取るべきだとする。昨年末には「嘱託医契約書モデル案」を発表した。「助産所は嘱託医に委嘱料を支払う」「妊婦を転送したケースについては、助産所が訴訟費用などを補償する」「助産所は十分な資力を確保しなければならない」など、厳しい内容だ。産科医不足の上、転送を受けた病院が訴訟の対象となる例が相次いでいる事情がある。
-----(引用、終わり)-----

助産所から転送を受けたところが訴訟対象になる例が相次いでいるという理不尽さ。
助産所の尻ぬぐいをさせられた上に、さらに訴訟対象にまでされて、いったい誰が嘱託医になりたいと思うものか。

産科医のきちんとしたバックアップ体制の取れていない危険な助産所が、現に今たくさん存在しているという現実だけはなんとかしないといけない。
どうする?
そこの産婦を全て引き受けるだけの産科医の余裕はない。ただでさえ忙しくてどうしようかと言っているくらいなのですから。

今のままではどうしようもないか、、、、

危険な助産所ということには目をつむっていてもらうしかないか、、、

何かあれば、運が悪かったと。
ただ、こういう人たちに限って、転送先の病院を訴えたりするんだろうなぁ、、、

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あまり注目されずにいるリスク要因
医療安全と言う事に関しては今の時代誰でも感心がないはずはありませんし、どこの施設でもそれぞれに日々の向上努力を怠りないものだと思いますが、それでもどうしても一定の割合で望まない結果が起こってしまうのも現実ではありますよね。そんな時代にあって先日はこういう記事が出ていまして、かねてこの産科無過失補償制度に注目してきた立場からすると確かに数としてそれなりにはなってきたのですが、まだこんなものかと感じると同時に未だ制度自体に問題なしとはしないのかとも思わされる話ですよね。 産科医療補償制度、補償対象の... ...続きを見る
ぐり研ブログ
2010/12/15 10:27

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