ある町医者の診療日記

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zoom RSS 奈良産婦死亡事件>なんという牽強付会

<<   作成日時 : 2006/11/22 11:55   >>

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牽強付会とは、広辞苑によると、、、
自分の都合のよいように無理に理屈をこじつけること。こじつけ。

まさにその典型のようなことを例の毎日新聞がやっています。
http://www.m3.com/news/news.jsp?articleLang=ja&articleId=38236&categoryId=&sourceType=GENERAL
「CTに有用性」 脳内出血死、9年前の提言生かせず 奈良・妊婦転送死亡で

これも全文を引用します。
そうでないとその「牽強付会」さというのが理解されないと思います。
-----(引用)-----
奈良・妊婦転送死亡:脳内出血死、9年前の提言生かせず----「CTに有用性」

 ◇旧厚生省研究班「CTに有用性」

 妊産婦に異常事態が起きた場合、分娩(ぶんべん)施設内で速やかに処置できるよう、医師数や検査機能の充実など体制整備を求める提言を、旧厚生省研究班が97年にまとめていたことが分かった。全国約200人に及ぶ妊産婦の死亡原因を詳細に分析して導き出した報告。だが今年8月に奈良県の妊婦が脳内出血で死亡した問題では、分娩施設や搬送システムの体制不備など地域の産科救急体制の危機が浮き彫りになり、9年前の貴重な提言が生かされなかった形だ。【根本毅】

 「妊産婦死亡の原因の究明に関する研究班」(班長、長屋憲・吉祥寺南町診療所院長)の報告によると、91-92年の妊産婦死亡は230人に上った。調査できた197人の死因は、子宮破裂などによる出血性ショックが74人で最も多く、次いで脳出血が27人だった。

 死亡例の分析で、転送された施設(大学病院を除く)の産婦人科の平均医師数は、常勤が4・4人、当直は0・6人。麻酔科医なども少なく、「十分な24時間体制とはあまりに懸け離れた現状」と指摘した。一方、死亡した妊産婦の分娩を当初扱った施設は、より体制が貧弱で「マンパワーや検査機能の不備が死亡に大きく影響した」と分析した。

 脳出血では、頭痛を訴えたのに診断・搬送が遅れた例もあった。診断について「頭痛や血圧上昇、意識消失があると、産婦人科医の多くは妊娠中毒症や子癇(しかん)発作と考え、その治療を優先させる。これは現時点では正しい」とした。その上で、CT(コンピューター断層撮影)の有用性に触れ、「どの症状なら脳出血を疑い、画像診断(CT)すべきかガイドラインを示す必要がある」と提言した。

 今回の奈良のケースでも夜間、脳外科医と麻酔科医が不在で、産科医と内科医計2人で対応。報告書の指摘と同じように頭痛や意識消失などの症状があったが、失神や子癇発作と判断し、CTは撮らなかった。

 長屋院長は「9年前と変わらず、全身管理の専門家や設備がほとんどない状態で大多数の分娩が扱われていることが最大の問題。こんな危険な環境での分娩は、日本ぐらいなものだ」と早急な改善を訴える。
-----(終わり)-----

「旧厚生省研究班が97年にまとめていた」ものが実際どういうものなのか分かりませんが、たぶんこれも自分勝手に都合のいいところだけを引用したんでしょう、それでさえ読む側から見たら牽強付会としかとれないものでしかない。

CTの有用性などというのがどこに書かれていますか?
-----(引用)-----
「頭痛や血圧上昇、意識消失があると、産婦人科医の多くは妊娠中毒症や子癇(しかん)発作と考え、その治療を優先させる。これは現時点では正しい」とした。その上で、CT(コンピューター断層撮影)の有用性に触れ、「どの症状なら脳出血を疑い、画像診断(CT)すべきかガイドラインを示す必要がある」と提言した。
-----(終わり)-----

分娩経過中に「頭痛、血圧上昇、意識消失」のようなことがあると、妊娠中毒症や子癇発作だと産婦人科医は考え、その治療を優先する。それは「正しい」のです。むしろ、その治療を優性しなかったら、それこそ非難されてもおかしくない。当然の治療を怠ったわけですから。
ただし、中には、ごく希に「脳出血」という可能性もあるから、CTをとるためのガイドラインを作成したらどうかと提言しているわけです。
ただし、未だにそのガイドラインは作成されていない。
91年から92年までの2年間の分娩数はいくらでしょうか、たぶん百万のオーダーでしょう、その中で脳出血による妊産婦死亡が27人では、数万から数十万に1例でしかない。そのためにCTをとりますか、それも、子癇発作という重大な状態を放置してです。そして、もしガイドラインなるものができたとしても、そのガイドラインに従えるところはごく少数の病院でしかないでしょう。
救急でCT撮影でき、重症妊婦を扱え、重症新生児の治療をでき、さらに脳外科や麻酔科専門医が複数いるような施設となれば、全国でも数カ所くらいなものにならざるをえない。

そして、9年前も今もマンパワー不足は同じ、いや9年前以上に現在は貧弱になっている。それを考えたら、ガイドラインを作って、それでCT撮影して脳出血が分かったからと言ってどうかなるものではないのです。上記のような緊急で重篤な分娩に対処でき、さらにその上脳外科の処置までできるような施設など、ほとんどないのですから。

そういう現実を無視して、どこが「「CTに有用性」 脳内出血死、9年前の提言生かせず」だなどと言えるのか!!
自分たちの誤報を、こういう牽強付会で誤魔化そうとするのは、見苦しいだけだ。

m3.comは毎日新聞と提携しているようで、毎日新聞の医療記事がメーリングリストで配信されてくるのですが、まともな記事ってのを見た記憶がほとんどありません。肝心な事実が抜けていたり、考察がトンチンカンだったり、、、
特に今回の奈良産婦死亡事件に関しては、それ以上に、意図的な捏造の臭いさえします。
裏に何かありそうです。

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