ある町医者の診療日記

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zoom RSS 病気で摘出の腎臓移植>これなんだろう?

<<   作成日時 : 2006/11/03 10:41   >>

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新聞でもテレビでもニュースになっています。
正直、よく分からない、疑問ばかりが出てきます。

病気で摘出の腎臓移植…宇和島徳洲会病院で11件
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061102it15.htm
>生体腎移植手術に絡む臓器売買が明らかになった宇和島徳洲会病院(愛媛県宇和島市)は2日、過去に実施した生体腎移植で、病気のため摘出した腎臓を別の患者に移植したケースが11件あったという調査結果を発表した。

疑問は3つあります。
1)他人に移植していいような腎臓なら、なぜ摘出する必要があったのか?

ただし、摘出してみないと分からない場合もあり得るかもしれません。臨床とはそういうものですから。現在のようにいろいろな検査法があっても、摘出してみたらしなくて良かったということはあり得る(だから、それを理由に訴訟するということは、よほどのことがない限りおかしいのです)。
しかし、摘出して、それを他人に移植できる腎臓ならば、本人に戻すのが筋ではないでしょうか。
これが疑問の2です。
2)他人に移植できる腎臓ならば、なぜ当人に戻さなかったのか?

>万波誠医師の弟の万波廉介医師(60)によると、11件のうち3件の摘出手術に今年6〜8月にかかわったという。いずれも親族以外への移植で、摘出手術は岡山県の三つの病院で実施。摘出した理由は、腎臓がんの疑い、良性腫瘍、動脈瘤で、体外で良性の病変と確認したあと、宇和島徳洲会病院へ運んで移植したという。

このようなことができるくらいなら、ぞの腎臓を摘出された本人に戻すべきではないかと、またそうできるはずではないかと思うのですが。
そうできない、何か理由があったということでしょうか?

そして、最後はレシピエントの選び方です。
この病院は倫理委員会がないそうです。そもそも、きちんとしたインフォームドコンセントがとられていたのかどうかも怪しい。文書を残していないと、堂々と発表さえしているくらいですから。
善意での臓器提供の場合は、移植される腎不全患者は公平に選ばれるべきだというのが、移植医療における、ほぼ確立されたコンセンサスです。それが守られていたのか?
3)レシピエントの選び方が公平であったのか?

これが私が医師として感じた疑問です。ただし専門外ですので腎移植という臨床上、合理的な理由があるのかもしれません。主治医はきちんと答えるべきでしょう。

なお、この記事には、専門医の批判も載せています。
>しかし、落合武徳・千葉大医学部教授は「腎臓の場合は人工透析すればよいはずだ。また、摘出する必要があった腎臓を、なぜ移植用に使うのか分からない。倫理的にも理解できない」という。日本移植学会理事の大島伸一・国立長寿医療センター総長も、「このような移植は医学的にあり得ない。仮に例外中の例外であったとしても、77件中に11件という数字は多すぎる」と話している。

専門医にコメントを求めている。
これが、自称医療ジャーナリストとかのコメントだと笑ってしまうところですし、もしそういう人のコメントを載せていたら、記事自体の信頼性がおかしいのです。
前の奈良事件と比べてみてください。

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