ある町医者の診療日記

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zoom RSS 医療事故への警察の介入

<<   作成日時 : 2006/06/27 09:24   >>

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毎日のようにこういうニュースが報道されています。今や日常茶飯事になってしまった観がある。
投薬ミスで男性患者死亡 愛媛の病院、県警が捜査
http://www.m3.com/news/news.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=&articleId=30270

低カリウム血症があり、その補正のためにカリウムを点滴内に投与するよう医師が指示したが、看護師が誤ってそれを静注してしまった、というのがこの医療事故のようです。
これを警察が業務上過失致死という刑法犯罪として捜査している。

業務上過失傷害あるいは致死という刑法罰を適用することは慎重でないといけないという問題については、また別の機会に書きたいと思いますが、ここでは特に医療事故に警察が介入してはいけないということを述べたいと思います。
その一番の理由は、医療を破壊するからです。

医療は、失敗に学んで進歩する。
治療法、診断法は、病理解剖などを通して、なぜこの症例ではうまくいかなかったのかと学び、以後の治療や診断の糧とする。
ところが警察が入ると、個人の犯罪行為を処罰することが目的化してしまう。その個人が悪いというところで終わってしまうことになります。また逆にその個人が悪いというこを警察が明らかにできなかったら、不起訴となったり無罪になるだけ。どちらにしても、そこで終わりです。この例で言えば、看護師の業務上過失致死が成立するかどうかだけ。
そこには医学の進歩という考えはゼロです。
看護師が本来は点滴内に入れるべきカリウム製剤を静注してしまったというヒューマンエラーを、どうやったら減らすことができるかと、この症例に学ばないといけない。

人は失敗するものです。
人は必ず死ぬ。100%、いつかは死ぬ。
同じように、人は必ず失敗する。
その失敗をできるだけ少なくするにはどうしたらいいか、できるだけ大事に至らぬようにするにはどうたらいいか、失敗に学ばないといけない。

しかし、警察が介入するとそれができなくなります。
刑法は人を罰するためのものだからです。
医療というシステム、病院というシステムをどう改善したらいいのかという教訓は、そこからは何も出てこない。

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