ある町医者の診療日記

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zoom RSS 産科医逮捕関連>集約化の陰で

<<   作成日時 : 2006/05/22 10:58   >>

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厚労省は産科施設の集約化というのを推し進めようとしています。
地域で高度な周産期医療を担う拠点病院を作り、そこにリスクの高い妊産婦や新生児を集める。
確かにこうすれば「なぜ一人医長体制下で帝王切開をしたのか?」というような非難をかわすことができる。しかし、産科医や小児科医をその拠点病院に集めるということは、彼らが今まで働いていた病院、たぶんその病院はその地域の拠点病院として毎年多数のお産を扱っていたであろう病院から医師をいなくなるということになる。産科医や小児科医が余っているというのならいいが、逆に、ただでさえ少ないんですから、集約化するということは医師のいない地域が沢山できるということになります。

すでにもうそういう悲劇が日本の各地で起こっています。
産婦人科医不在1カ月島根・隠岐
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060521/mng_____tokuho__000.shtml
>産婦人科の医師が不足している。激務、リスクの高さなどが原因とされるが、この影響は離島などのへき地で深刻だ。島根県・隠岐島では、島唯一の病院に産婦人科医が一人もいなくなり、妊婦が本土に渡って出産する状態が、もう一カ月以上も続いている。住民の不満は爆発寸前。都市とへき地。格差拡大の実態がここにも見える。

「代わりの人選、めども立たず」だそうです。
隠岐の病院には他に代替施設はなく、この病院でお産できないとなると本土に渡らないといけない。その不便さたるや、、、
(あのパフォーマンス大臣は今どうしているんだろう?)

>非常事態に陥る伏線は昨年秋にあった。厚生労働省は現在、産婦人科医が全国的に不足しがちな傾向に対処するため、少ない医師を分散させずに拠点病院に集中させ“お産”の質を落とさないよう指導している。この方針を受けて、隠岐病院に医師派遣を続けてきた島根県立中央病院(出雲市)が産婦人科医の派遣を中止すると通告してきた。そこで自助努力で探してきた医師が土壇場でキャンセルをしたというわけだった。

この記事の最後にこうあります。
><デスクメモ> 都内の病院で妻は出産した。立ち会った私は分娩室でイスの上に立ち点滴を持ち上げる役割をした。どんな近代的な設備があってもお産は修羅場だと思う。船に揺られてお産に向かう奥さんたちは二重、三重の不安に包まれるのではないだろうか。小泉首相の掲げる「改革」の真相は隠岐からこそよく見える。 (蒲)

必死に胎児とその母親を助けようと努力した産科医が、その努力の甲斐なく母親を助けることができなかった。
それに対し、遺族がその産科医に恨み辛みをぶつけ、毎月線香を上げに来いとさえ言っているらしい。さらに国は刑法犯として逮捕、起訴までしている。

違うだろうと。
一人医長という体制で産科業務をさせていたのは誰なんだ?
病院であり、その病院を作り運営している県だろうが。
しかし、その県を、そういう無理な体制でしか運営できない。複数の産科医を常勤させていてはその県立病院が赤字で倒れてしまう。さらに、それでも産科医を雇おうとしても、来てくれる産科医がいない。どこも余っていない。
国が政策としてそうしているんだ。低医療費政策という政策で。

さらに国だけじゃない。
産科医は今も少ないし、さらにどんどん減っている。それは、医師の努力に訴訟という手段でこたえる国民がそうさせている。何か事故が起これば、患者側から恨み辛みをぶつけられ、時には何千万から億という賠償責任さえとらせられる。
誰がやってやれるか、、、と思うのは当然でしょう。
一緒に病と闘ったいわば戦友です、医師と患者や家族は。しかし、戦争に負けた。その負けた責任をともに戦った戦友に着せる。特に大野病院のような一人医長体制でやっているということ、そのこと自体、既にその戦は負け戦です。その負け戦の責任を医師一人に負わそうとしていることの理不尽さ、それも一緒に戦った戦友からさえそれをされた者のつらさ、、、

本来、患者や家族は恨みがあるのなら、戦った相手である病にその恨みをぶつけるべきだし、医師という戦友の手足を縛り十分な働きをさせないようにした医療制度の不備を訴えるべきでしょう。そういう不備な医療制度を放置し、さらによけい悪くしている国にその恨みをぶつけるのは本筋じゃないか、、、と、と私は思うんですがねぇ、、、

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