ある町医者の診療日記

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zoom RSS 産科医逮捕関連>医療事故調査委員会

<<   作成日時 : 2006/04/12 10:01   >>

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県医師会の会報に投稿したものですが、ここにも書いておきます。
投稿したのは3月10日で、もう1ヶ月も前のことですが、会報に載るのはさらに1ヶ月後でしょう。

医療事故調査委員会は開くべきではない
 福島県のある県立病院の産科医が逮捕されました。
 平成16年12月17日、29歳の女性が帝王切開を受け、後壁の癒着胎盤による大量出血のため死亡した。県および病院側は、医療ミスの可能性があるとして平成17年1月に事故調査委員会を作り、同年3月には報告書を発表、医療ミスとして平成17年6月に関係者の処分を行い、遺族との補償交渉を行っていた。その最中、1年以上たった平成18年2月18日、富岡署は執刀した産婦人科医師を業務上過失致死と医師法(異状死体等の届け出義務)違反の疑いで逮捕した。逮捕理由は証拠隠滅および逃亡の恐れだそうです。
 容疑の根拠に、この事故調査委員会の報告書が使われたことは想像に難くありません。また、裁判となれば、この報告書が証拠として使われることでしょう。
 この事件には、報告書の正確性や逮捕の不当性ばかりでなく日本医療の現状に関連する問題点が沢山あり、既に福島県の医師会、産科医会、保険医協会や各地の医師関連団体が声明を、中には明確な抗議声明さえ出しています。私は、徳島県でも何か行動を起こすべきと思うのですが、ここでは多々ある問題点の中の一つで特に逮捕の契機となりさらに根拠にもなったと思われる医療事故調査について疑問を提示したいと思います。今回の産科医逮捕で見られるように、医療事故調査報告を逮捕容疑の根拠に使ったり刑事裁判の証拠として使うのであれば、調査される者の人権に配慮して医療事故調査は行われなければなりません。もし、その前提が守られないのであれば、最初から医療事故調査などはすべきではありません。
 医療事故調査は、事後的に、不幸な結果に終わった症例を検証し、患者や家族へ補償に資したり、以後の臨床経験とするためのもののはずでした。個人の刑事責任を問うような性格のものではなく、医療関係者皆でその経験を共有し将来にわたって臨床に役立てていこうとするものです。しかし、その調査結果が、今回のように刑事事件として逮捕されたり証拠して使われるとなれば、あの時はこうしておけばより良い結果が得られたかもしれないというような証言は、そうすべきなのにしなかったものととられ、ひいては刑事事件の有罪根拠にさえ利用される恐れがあります。刑事罰の証拠にされるものを警察官や検察官でない者がその地位を利用して関係者に要求していいのでしょうか。もしそういう証言を求めなければ事故調査自体が成り立たないのなら、そんな委員会は作るべきではないし、作るにしても、証言する関係者の人権に充分配慮して行うべきです。その証言は逮捕理由や刑事事件の証拠として使われ、それによって自分を含む関係者が刑事罰を科されるかもしれないと、あらかじめ納得してもらった上で行うこと、また、証言を拒否する権利があり、証言を拒否しても不利益にならないこともきちんと保証しておくべきです。
医療事故調査はこの逮捕事件で変質してしまった。

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