ある町医者の診療日記

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zoom RSS [バイブル商法]-----2004/08/03(Tue)

<<   作成日時 : 2006/02/04 10:28   >>

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バイブルというのを広辞苑で引くと、1)キリスト教の聖典。聖書。2)比喩的に、それぞれの領域での権威ある書物。とあります。
バイブル本とは、つまり「それぞれの領域での権威ある書物」、そこに書かれていることは、正しいことが書かれている、信じてよい本だというのがもともとの意味だったのでしょう。それが、転化して「さも正しいことが書かれているかのような本」、「さも信じてよさそうな本」という意味で使われることが多いようです。

そして、この「バイブル本」というのを使ったバイブル商法というものがあります。
今やこれが花盛りです。
「さも正しいことが書かれているかのような本」、「さも信じてよさそうな本」を出して、そこにさりげなく自分が売りたいもの(物だけじゃなくセミナーのようなものも含みます)をその本の中に書いておくのです。この本に載っている「もの」はここに連絡したら手に入れることができますと、本の最後やしおりなどに載せておく。これがバイブル商法です。

新聞、それも全国紙にさえ必ずと言っていいほどこの「バイブル商法」用の「バイブル本」の広告が載っています。さらに週刊誌などになるとこの手の広告で花盛りというほかない。つまりは、それだけこの商売が儲かるということであり、逆に言えば、それだけこの商売に騙される人が多いということでもあります。
このバイブル商法はどんな商売にも使えますが、特に医療関係に有効です。
医療関係の商売は、医師法や薬事法という法律が立ちはだかっており、規制の多い領域です。法律で許された者しか医療行為をしてはいけない。医師以外の者が、病気の診断や治療を行ってはいけない。認可された薬でないと、これこれの病気に効果があると言ってはいけないなどなど、非常に厳しく規制されています。
これは医療を悪用した時の弊害が大きい故に、つまり人の命に関わること故に、そのようになっているのですが、この規制の抜け道がある。
言論の自由というという抜け道が。

癌にこれこれのキノコが効く、治ったなんていうのが書かれた本が、それこそ雨後の竹の子みたいに次から次と出版され、その本の広告が新聞や週刊誌などに載る。その他、アトピーはこういう治療法で治るとか、膝の痛みは鮫の軟骨を飲んで良くなるとか、クロレラで健康になったなどなど、ちょっと思いつくだけでいくらでも出てきます。しかし、ある治療法にしろ鮫の軟骨にしろクロレラにしろ、これこれの病気に効果があると言うと薬事法などの医療関連の法律に抵触する。そのため、本を出すわけです。どこそこの大学の、あるいはこういう研究所の偉い先生や博士(この博士というのもくせ者で医学博士でないことが多いし、たとえ医学博士であっても医師ではないこともある)が効果があったという言っているとか、誰それが飲んだら治ったのとか良くなったのとかいう体験談の本を出すのです。これなら医師法や薬事法の規制に引っかからない。言論の自由があるわけですから。こういう本を出しておいて、その広告を新聞や週刊誌などに載せたら、法律に違反することにはならない。大っぴらに「これで癌が治った!」と。
そして、この方法はこれ以外の効能もあるのです。
それは、直接、そのもの自体を広告することより人は信じ安いってことです。直接的な広告は、それを見る人はある程度嘘かもしれないと身構えているが、バイブル本を読む人はそうではない。それを権威あるものとして心の壁を無くして読むわけです。新聞広告に載っていたというだけでは鮫の軟骨を飲まないが、鮫の軟骨が効くという本を読み、そうか効くのかと思いこみ、そこに紹介されている会社の鮫の軟骨なら飲んでみようとなってしまう。

この「バイブル商法」は、医療関係だけで使われているのではなく、全ての領域で使われています。しかし、特に医療関係のものが多いし、また弊害も多い。
そこでやっと今回厚生省が異例の勧告を出した。

http://www.m3.com/news/article.jsp?sourceType=GENERAL&categoryId=-1&id=17161&#9001;=ja
「バイブル本」広告慎重に 健康増進法抵触の恐れ

【8月2日】
 「健康食品でがんが治る」などとうたう「バイブル本」には、虚偽誇大広告を禁じた健康増進法に抵触するものがあるとして、厚生労働省は1日までに、日本書籍出版協会、日本新聞協会、日本雑誌協会など7団体に慎重な取り扱いを求める異例の通知を出した。

遅きに失しているけど、しないよりはまし。
問題は、この指導を出版業者や新聞社が守るかどうかです。
私は、期待できないと思います、残念ながら。
これは個人が自衛するしかない。
こういう商法があるんだと知って、自衛すべきです。

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