ある町医者の診療日記

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zoom RSS [狂犬病の現況]-----2002/08/09(Fri)

<<   作成日時 : 2006/01/27 17:35   >>

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高山 直秀
日救急医会誌 2002;13:351-60

当院にも犬に咬まれたという患者さんがしばしば来られます。
そして狂犬病が心配という方も。
もちろん狂犬病ワクチンなど当院にはおいてありませんし、はたして徳島県にもあるかどうか。
ですから、日本には現在の所、狂犬病の報告はここ数十年ないこと、あまり心配しても無意味で、それよりも普通の感染症の方の予防が大切と説明して納得してもらっています。
ただし、狂犬病は日本では発生していませんが、日本のまわりでは発生しているし、いつ何時それが日本が入ってこないとも限りません。それに対して私らは何の治療手段も持っていないのが現状です。
このことについて非常に参考になる論文が、今月号の日救急医会誌に掲載されていたので紹介します。

「おわりに」をそのまま引用します。
−−−−−−−−−−−−−−
 狂犬病の発生がない国々は例外的であり、ほとんどの地域で狂犬病は発生している(1)。日本国内での発生はなくとも、海外で動物に咬まれて帰国後に発病する輸入狂犬病は発生する可能性がある。いかなる検査法も狂犬病の生前早期診断には役立たない。一度発病した狂犬病を治療する手段もない。狂犬病は発病を予防できるが(2)、決して治癒させえない病気である。狂犬病常在地で不幸にしてイヌなどに咬まれたときは、すぐに現地(3)の信頼できる医療機関で組織培養不活化狂犬病ワクチンを用いた狂犬病曝露後発病予防を受ける必要がある。狂犬病常在地に入る前には狂犬病ワクチン摂取を済ませる用心が必要である。また、狂犬病患者を診療・看護する機会がある医師や看護師も、医療現場での根癩をさけるために、狂犬病曝露前免疫を受けた方がよい。
−−−−−−−−−−−−−−

狂犬病という病名がついているが、狂犬病ウィルスはイヌだけが媒介するわけではないということを知っておくべきです。
狂犬病ウィルスの自然宿主は「キツネ、スカンク、アライグマ、コウモリ、イエローマングースなど」だそうで、媒介動物もイヌだけじゃなくネコもそうだそうです。

(1)日本では1957年以降狂犬病発生はゼロである。
   全世界の年間ヒト狂犬病発生数は4万から5万例だとされているが、その90%はインドをはじめとしるアジア・アフリカ地域で発生している。
(2)狂犬病の潜伏期は15日程度から1年以上とばらつきがあるが、比較的潜伏期が長い。この長い潜伏期を利用して「狂犬病危険動物に咬まれた後、ただちに狂犬病ワクチン接種を開始する曝露後発病予防が現在でも狂犬病死を免れる唯一の方法である」。
(3)現在の日本で曝露後狂犬病ワクチンを接種できる病院は限られている。したがって、狂犬病危険動物に咬まれたときは現地でただちに狂犬病曝露後発病予防を受けるべきである。それをせずに、治療目的で日本に帰ることは最悪の選択である。

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